適当コラム−その2−

えろげーの作り方

Webで色々なレビューを見るのですが、どういった流れでえろげーが作られているか認識してない人が多いように見受けられたので、経験からの実際の流れを語ってみようかと思います。
何かしらの参考にして頂ければ幸いです。


1.企画を考える

 どういったものを作るかをプロデューサーやシナリオライター、原画師などで方向性を決め初期プロットの作成する。当然、小売り店舗を回って営業を行い現在売れ線の方向性などを考慮して企画を立てていくわけです。

2.字コンテ、絵コンテの作成

初期プロットから企画書を作成する訳ですが字コンテ、絵コンテを作り上げたところで企画書とするところが多いようです。
字コンテ、絵コンテはどちらが早く作り上げられるかは制作の仕方によって変わってきますが、この2つのコンテが出来上がると作品の規模が決まります。(想定出来るようになる)
CG(立ち絵、背景、イベント)枚数、テキスト総量等。この字コンテ、絵コンテをちゃんと練っておかないと実際の開発に入った段階で開発規模の想定を誤る一因となり、開発期間が延びる事になります。


会社として初期プロットを考え外注に任せる場合には字コンテが先行している場合が多いです。また、フリーの原画師に原画を発注する場合も字コンテが先になります当然のことですが、逆に持ち込みの企画だった場合は絵コンテが先という場合もあります。
  
上記の場合は原画師、シナリオライターが社内にいる場合という想定で書いています。

3.スポンサー(流通会社)への営業

ソフトというのは一部の大手メーカーを除き自由?(言い方は変ですが)に作れるわけでなく流通会社等のスポンサーに企画書を提出してプレゼンテーションの上で融資を受けて制作に入ります。一部メーカーは流通でなく親会社があり出資を受けている所もありますがそういった会社は少なく無いですが多くもないです。

新規のメーカーとして、この業界に参入する場合は自己資金で運営できればそれにこした事はないですが、どちらにしても自社流通では小売店舗に取り扱って貰うことはほぼ出来ないので新規メーカーは取り扱ってもらう流通会社に対して営業を行う事となります。(企画書を通して出資を受ける等。)その代わり流通会社が小売店舗への営業を行ってもらい、生産本数、発売日等は流通会社が決めます。

実績を作れば、次作以降の制作の主導権はメーカー側が持つ事となります。



一般向け等のゲーム会社は流通会社に卸さず自社流通を行っている所が多いです。
そういったメーカーの場合は流通会社が仕入小売りへ卸す、又は直接卸すという2通りの方法があります。
当然えろげーメーカーでもそういった会社はありますが、自社流通の会社は殆どありません。また年齢制限のあるソフトは基本的にソフ倫又はそれに準じた審査団体の審査承認を受けていないと小売店舗は取り扱ってくれません。

大手、中堅メーカーの中には流通会社をグループ会社として持っているメーカーもあります。

  
4.ソフト開発

上記に明記事が全て終わると、やっと実作業に入ることが出来ます。
シナリオライターは初期プロットや字コンテからシナリオを興しつつ、原画師は原画を興す事となります。
シナリオライターはシナリオを書き上げると直ぐにシステム周りをプログラマーと相談しまとめて、その後演出(スクリプト)の作業に移っていきます。

原画の方は原画を描くと同時に上がった原画をCGスタッフに彩色指示を出してその作業が終了するとパブリシティーの作画処理に入っていきます。こういった、全て作業を終了させるとデバックとなります。

デバックの期間は長い所で1ヶ月程度、短い所で1週間位をデバック期間に当てています。

マスターアップは発売日の2週間位前というのが普通ですが、これもブランドによってまちまちです。
発売週の火・水位までに商品が完成し流通会社に到着すれば問題ありません。
大体マスター入稿はCDの場合は7〜14日前というのが普通です。DVDの場合はプレス工場の関係で若干マスター入稿が早まり10〜20日前となります。



4.1 CG完成までの流れ(イベント、背景素材の場合)
 原画作成→原画クリンナップ(線取り)→影指定→ある場合は
 差分指定((表情指定等)(ここまで行って原画が完成したと言える))→CG彩色→CG完成

4.2 CG完成までの流れ(立ち絵素材の場合)
 原画(全身、腰から上の上半身など)→原画クリンナップ(線取り)→影指定→
 ある場合は差分指定(喜怒哀楽の表情、体の動きのパターン指定など)→CG彩色→CG完成

4.3 シナリオ側の動き
 シナリオ完成した後は音声が入るのであれば声優のキャスティング及びシナリオの台本化作業を行い、
 シナリオのスクリプト化を行う事となります。

4.4システムデザイン等
 演出行う人がプログラマーに指示を出す形となりますがこれも指示出す人間がプログラムを理解していれば
 良いのですが、判っていない場合こんな感じで宜しくとかいうとにかくファジーな指示が飛ぶのでプログラマー
 はそれの実現化に頭を悩める事となります。
 一部のブランドではそういった事が無いよう、手間を省くという理由から基本システムを規格化している場合もあります。


 
原画が演出を行っている場合は演出行う場合もあります。
広告、販促素材はその都度発生するので、開発を止めてかかる事が多い。
体験版などの作成は前倒し?と言ってしまうと変ですが、シナリオなどが出来ていないうちに制作に入ることが多いので、別途作成しているブランドも少なくないです。
そういった意味では体験版の規模にもよるが2本のタイトルを作っているのも同義である。
もっともちゃんとスケジュール管理が出来上がっているブランドの場合、体験版はソフト販売1,2ヶ月位前には出来上がっており、わざわざ体験版の為に新規に作業を発生させるわけでなく、ゲーム中で使われる素材を使って作成されるのが普通であると思われる。
逆にこれを逆手にとってユーザーに認知してもらうためにオリジナルコンテンツを体験版などの素材に仕込んでいるメーカーも存在します。

スクリプト(演出)のみ専門に行うスタッフを準備しているメーカーもあります。

背景、音楽などは外注にしている会社が多いです。

最近ではプログラム(システム)をN-Scriptorや吉里吉里などのフリーで公開しているプログラムなどのカスタムモデルを使用しているメーカーも多いです。
5.広告展開

 初期プロット及び企画書を作成してどういった客層に向けて売っていくかが決まっていればこの作業は非常に楽になりますが、実際は蓋を開けて開発が終わってみないとどういったものが出来上がるか判りません。

また、業務は企画が走り出したと同時に小売店舗及び雑誌などの宣伝媒体にこういったものを作っています、発売日はこの時期を予定していますと当初行われ告知宣伝が行われていきます。その中でもポスター、チラシなどは早めに作れれば良いのですが、早めに作ると発売日が延期等が起こった場合刷り直し等の発生する場合があるのである程度の目処がたってから刷り始めるのが通常です。開発より前に作る場合もありますがその場合は当然ながら発売日や内容が判るものではありません。



 ここまで書いてきた内容を進捗がキチンとコントロール出来る会社で3〜5ヶ月で理想的に動いて完了させることとなります。
流通会社主体に動かす新規ブランドの場合は3ヶ月以内に全て終了させるのが普通です。また、流通会社によって出荷本数が決められてしまう場合は1000本〜3000本位です。
当然新規ブランドでも流通会社より売れる要素ありと判断されれば開発期間や出荷本数は例外はあります。
中堅ブランドも実績によって色々ですが、3000〜15000本位です。また、大手となると10000〜という形になるようです。

最近では、メーカーも増えたことから、初回生産数は減少の傾向にあるようだ。

6.開発の実際

 全てが上記の様に順調に回ればソフトは完成しますが、実際はそうはなりません。字コンテが上がらないと絵コンテが描けない場合もあるし、企画書のプレゼンを口頭ですませて、字コンテも無いまま開発に突入してシナリオが上がらないまま当然当初予定した発売を日延期したり。
デバッグや文字校正も出来ないままマスターアップしたり、出来上がったものが想定していた形でなかった為、一から作り直しを行った為に延期とか知っているだけでも色々あります。

−注意−
ここに書いてあることは、事実を多分に含んでおりますが、脚色してあります。
どこの会社がという事であるというわけではありませんので、ご理解ください。

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